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芸術家の立場からみる「表現の自由」とは


春は程近く、紅梅の香り高らかに、天高く延びる枝は、まるで月夜に掛かる天のはしごのようにも見えます。

皆様方も、すぐ近くまで歩み寄る春の香りを感じておられると思います。

見上ぐれば、満天の星が瞬き、私たちの心も漂泊の彼方へと流れ去っていくように感じられ、香り立つ春の輪郭と、美しく輝く星々のさゝやきに、柔らかく、湿った土の匂いでさえ芳しく感じられます。

さて、私が今日、皆様にお伝えしたいことは、以前より紹介していた新技法「Rabbit Graph」が完成し、その第1作目が世に放たれたということです。

悠久の時の中を、あるいは浮かび、あるいは沈みして、砂漠の中を進む旅人のように、本当の意味での「結論」を求める日々であったように感じます。

芸術の本懐とは

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しかし、私は、芸術というものをこの手に掴み、多くの人々の幸福のために解き放つ仕事を自らの天命であると確信した日以来、数多くの作品を世に問うてきました。

そうして、ひとり歩くうちに、その歩いてきた道筋に、数多くの花々が咲き乱れ、草木が生い茂り、動物たちが憩い、数限りない人々の幸福が花開くような、そんな制作活動を続けていく所存であります。

真に価値ある芸術とは、「他の人々を照らし、自分自身の幸福だけでなく、その作品を手にとった全ての人が幸福に生きられるように」という願いをこめたるものであると私は思います。

表現の自由の本当の意味とは?

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私が語るこの真実は、実に実に単純で、平凡で、どこにでもありふれた価値観のように思われるでしょう。

しかし、あたりを見渡してみていただきたいのです。「真に価値ある芸術を作り出そう、愛に溢れた芸術をなそう」という人々の少なさ、そうして、エゴイズムに凝り固まり、自分自身さえわからなくっていく人々の哀しさよ。

あるいは世間では、表現の自由がもてはやされ、兎にも角にも「自由」という言葉が使われていることでありましょう。

されども、固まりきったコンクリートのように、分厚い氷の壁のように、私たち自身を孤立させ、自分らのみの安全と幸福を追求し、「他の人などどうでもいい」というような意見が、いかほど醜い意見であるかお分かりでしょうか。

私は決して、政治家としてこの意見を言っているわけではありません。宗教家や評論家として語るわけでもありません。

また、自分自身が偉くなりたいからこの言葉を語るわけでもありません。

あくまで、一芸術家として、世の人々に問いたいのです。

あらゆる分野に共通する「美しさ」とは?

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美しさとは、その表現技法の高さにあるのではありません。

その方法や、作法の違いはあれど、普遍なる美しさがあります。

それは、人々の真心でもありましょう。あるいはそこここに生い茂る草木や木々の煌めきでもありましょう。あるいは天空に燦然と輝く星々の光でもありましょう。

その奥にある答えこそ、私が常日頃、表現したいと語っている「永遠」なのです。気がつくか否かに関わらず、万物に共通する法則があるのです。

永遠の美しさ、文化習俗、人種を超えた美とは何か

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全てのものは、共存しあい、生かし合っています。共に相集い、循環しながら回転している大きな力なのです。

それこそ「永遠」の正体でもあります。永遠の影を映した大パノラマが現出しているのです。

この世界は偶然に作られたものではない、という事実も、こうしたことを感じることができて初めて、確信を持つことができると私は考えます。

これが私の考える「永遠」でありますし、芸術家達が本来目指すべき方途であると確信します。

永遠への挑戦は、ここから始まるのです。

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