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孤独の海にいる君へ

公開日: : 最終更新日:2017/09/03 あけのみつたかの表現哲学・キュレーション

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私が制作活動を始めて、もうすぐ5年になります。

まだ桜の花もまばらで、少し冬の寒さの残る時分であったと思います。その時、私は「芸術」というものを基準に人生を構築していくことを決意しました。

その頃はまだ世間のこともよく知らず、その分、無鉄砲にふるまえた自分の姿というものを思い出します。

世間知らずで、青臭い少年であったからこそ挑戦できたということも、今にして思えば「なぜ絵を描こうと思ったのだろう」という気持ちと「もうそんなに経つのか」という気持ち、そして「まだ5年しか経っていなかったのか」という驚きとが綯い交ぜになった感情がここにあります。

あけのみつたかの今まで

その5年前から数えてさらに2年前、私は中学校を卒業する時期に差し掛かっていました。

自分の中でまだ何をするべきなのか分からず、「作曲をする」という道と、「絵を描く」という二つの道が自分の前に横たわっていたように感じておりました。

しかし私は自分の学力の拙さ故、自分の得意としていた「絵」を武器に、少し背伸びをしながら高校進学への準備を進めていたことを覚えています。

桜が咲き、春が過ぎ、夏が過ぎ、秋を迎えたかと思えば、冬を越え、そうして私はまだ、自分の道をいうものが分かりませんでした。

絵を描くことは私にとってはごく自然なことであり、「天分を抱きしめている」というより「持て余している」というのが正直な感想でした。武器を持てども、使い道を知らなかったのです。

運命を変えた「ある事件」

しかしある日、私の運命を決定づける大きな事件が起きました。

それは、私の中で非常な衝撃でした。

今この文章を読んでくださっている人にわかるように説明するとすると、淡いコンポーズカラーの光が私を包み込んだのです。

それは何とも言えない感覚でした。そしてその光の中で私は「この光はこの世ならざる世界から降り注いでいるのだ」ということを直感しました。

その体験は「この世界を超越した存在がおり、私たち一人ひとりを確実に見守っている」ということを感じさせると同時に「未来に向けて改めて芸術というものを突き詰めねばならないのだ」という責任感に似た感覚を私に与えました。

21世紀以降の芸術の方途を知ったわけです。

やむにやまれず画家の道へ

しかし私は、そうした経験をしておりながらまだ迷いがありました。それは結局、私自身が芸術の世界を知らなかった、そうした世界に触れたことがなかったというのが大きいと思います。

ですので私は、最初は「フリーでWeb系の仕事をしながら趣味で絵を描く」という道を進んでいました。

-行けども行けども私の中の自己矛盾が大きくなっていきました。

「このまま続けても仕事漬けになるだけではないか。絵を描くような時間など取ることはできない」と確信していったわけです。

そして2014年の1月15日、私は画家を専業にすることを決意します。

それは難しい決断でした。なにせ卒業後一年近く、営々と続けてきたWEBの仕事を離れ、不安定で、足場の見えない世界へ降りていかなければいけなかったからです。

孤独の海にいる君へ

私は卒業から長らく、非常な孤独の中を進んでいました。身内ですら私のやろうとしていることに反対していたのです。

しかし、既に時は3年経ちました。私は今、画家をしています。

なぜこんな赤裸々な身の上話をしているかというと、これから自分の進むべき道へ向かっていく人たちへ、エールを送りたいと思ったからです。

孤独とは、誰一人として気持ちを共有できる人のいない時に感じるものです。

しかし私はその「孤独」の中にこそ、内なる情熱が秘められているということを言っておきたいのです。

「誰一人として共有できないこと」に非常な孤独を感じるとき、「もうこのまま永遠に一人で、涙の海を渡っていかなければいけないのでは」と感じるとき、どうか「自分には大きな可能性が秘められているのだ」ということを信じていただきたいのです。

その孤独の影が濃ければ濃いほど、半面に大いなる太陽が昇り始めているということを知っていただきたいのです。大いなる可能性が芽生えているのだということを知っていただきたいのです。

それはあなた一人ではない。他の誰かに「隠しても隠し切れない情熱」としてほとばしり出てくるものであるのです。

どうか、強くあってください。世間のうわべだけの常識に、惑わされないでください。

あなたは一人ではない。

あなたが一人で涙し、夜明けの海をさまよう時が来たとしても、あなたのすぐ傍に大いなる光があるということを信じていただきたいのです。

疲れたのなら、しばし竿を置いてもいい。

そうして一人、孤独の海に佇んでいれば、やがて力がみなぎってくるでしょう。その時にこそ、力強く竿を振るい、闇夜の海を照らしていってほしいものだと思います。

闇夜の海を照らす一条の光となって欲しいのです。

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