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新しい芸術の方向性とは

公開日: : 最終更新日:2019/08/10 あけのみつたかの表現哲学・キュレーション

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以前私は「絵画と芸術の方向性とは」という内容を掲載しました。

その中で、「未来の芸術とは、これから起こる社会の動向や芸術家達の内面とを比較することで検証できるのではないか」ということをいっています。

しかし、具体的なところについては、私自身も分からないことも多く語れなかった部分があったかと思います。そこで今回はこれからの芸術として現れてくるのではないかと思われる「ある流れ」をご紹介したいと思います。

ここで書かれている「芸術」とは

その流れとはなにかを語る前に、皆様はそもそも「芸術」というものをどのようにお考えでしょうか?

学問?文化?はたまたステータスシンボルとしての芸術もあるでしょう。

しかし私は芸術というものを「宗教と科学の先にあるもの」とここでは定義したいのです。

なぜなら、これから巻き起こってくると予見される芸術の潮流は、決して昔の伝統を闇雲に固持したものではなく、新しさという言葉をはき違えた政治的パフォーマンスの一環でもないと思えるからであります。

そして芸術とは、それそのものが生きているのであり、人の心と切っても切れない関係の中にあります。

戦後から世紀末にかけての宗教の勃興

例えば大戦時から世紀末にかけては退廃的な思想が蔓延しておりました。

その時代の気候風土にあった人々の心の問題を解決せんとして、日本でも数多くの宗教家たちが生まれ、戦争によって疲れ切った人々の心のよすがとなっていました。

ギリシャ芸術の背景にある「ギリシャ神話の思想」

また、それより遥か昔、ギリシャの芸術の中には人々の暮らしや政治的思惑を超えたギリシャ精神とでもいうべきものが脈々と流れておりました。

そうした芸術というものが生まれてきた背景には、時代の中で揺れ動く人々の心があったのです。そして、その人々の心を象徴し、その心の問題と向き合った宗教家たちが数多く生まれた時代でもあったのです。

そうした、人の心と切っても切れない宗教の勃興と同時期に、科学的な発展も目覚ましいものがありました。

ルネサンス期の芸術、世紀末芸術、ギリシャ芸術と科学技術の発展

例えばルネサンス期のフィレンツェが生んだ大天才、レオナルド・ダ・ヴィンチは夜な夜な墓地に向かい、人間の身体構造の研究に没頭していたという逸話があります。

彼は科学的好奇心の強い方だったらしく、人の身体構造から流体力学、建築、医療、新しい発明も数多く行い、ある意味では「万能の天才」だったといえるのかもしれません。

それと軌を一にして、当時は医療やその他の科学技術が非常に発展した時代でもありました。そうした時代だったからこそ、ダヴィンチは、また、ルネサンス期の芸術はあれほどまでに科学的な発見を土台にした写実的な芸術が生まれたといえるでしょう。

またルネサンス期の芸術家たちが理想としたギリシャ芸術もまた科学的な認識を持った民族でなければ作れない大型の芸術的建築や巨大彫刻も見つかっております。

そして、皆さんもご存じの通り、戦後の日本や世界の科学技術の進歩は目覚ましいものがあったはずです。

宗教と科学と芸術の相関性

このように、人々の心が動かされる時、科学技術の発展から少し遅まきに芸術というものが大きく発展してきた経緯があります。

すべては人々の心の中に生まれた歪みや成長、そこから迸るエネルギーが新たな時代を作ったのです。その点において、人の心を科学した「宗教」と、文化の利便性を高める「科学」の先に芸術は大きな盛り上がりを見せるようになっているのです。

そして私は、今もその時を迎えつつあると感じるのです。

宇宙時代の幕開けと現代科学の限界

科学的進歩は世界的に留まる所を知りません。いま世界の目線は宇宙にさえ向けられ、新たな時代が科学技術によって開かれようとしています。

それは言い換えるなら「大気圏外の文明」が始まろうとしているのです。

しかし、今の科学技術ではまだ解決できない問題があります。それは「ワープ航行の技術」と「タイムワープの技術」です。

これは予想の範疇を出ない話ですが、おそらくワープ航行の技術は宗教的な理論ともつながっているものではないかと考えています。

科学に先駆けて時空間の理論を持っていた宗教

世界的な宗教で度々登場する「宇宙の構造論」があります。それはあくまで何かを例えとした話であったり、象徴的なもので表現されている為、なかなか分からないのですが、科学技術の更なる発展、特に他の星への移動に関してはかなりのものを掴んでいたのではないかと思われるのです。

ある宗教では「宇宙は螺旋状にできている」とするものもあります。そこでは星々は螺旋を描いて移動し、また宇宙は巨大な電磁線のような形を描いているというのです。

また仏教では「八正道」と呼ばれる修行の作法があります。ここでは、人間の業(行い、思ったこと)の清算をする為に過去へ視点を移していくことをいっています。

時間と空間はエネルギ―の周波数にしか過ぎない

実はこの理論は今の物理学で提唱されている「スポットライト理論」と非常によく似ているのです。つまり、時間とはエネルギーの周波数の違いにしか過ぎなくて、私たちが普段数えている「時間」とは別に、あらゆるものの中に「時間」というエネルギーの周波数があるのです。

そしてそれを操作することができれば、人は過去へ移動することも、未来へ移動することも可能だとする理論があるのです。

もっと正確にいうとすれば、時間とは私たちの見ている「視点(スポットライト)」にしか過ぎなくて、同じ空間に同時に過去も未来も重なって存在しているということです。

そして、過去へも未来へも自由に移動できるということは、何万光年も遠くの惑星へ行っても、その移動の時間をほんの数秒に縮めることができるといいます。

そして、「遠くの惑星へ自由自在に移動できる」ことが意味しているのは「人々の認識がそれだけ広がる」ということです。

未来の視点とこれからの芸術とは

そこまで広がった先、果たして私たちは今までの前時代的な芸術で満足できるのでしょうか?

それではおそらく不足だと私には思えるのです。もっと未来に、遥かなる未来にも私たちと同じように、喜びを感じ、悲しみを感じ苦しみを感じ、そしてひと時、幸福というものを感じている人がいるのです。

その人たちの哀しみを癒し、寄り添い、その時代を象徴するは私たち芸術家に他なりません。

これから先、科学と芸術と宗教が混然一体となった表現が生まれてくるはずです。そのナビ(先導者)として私はいます。それが私の芸術の最終地点であり、これからの芸術の大きな方向性の一つともいえるでしょう。

これが私が現在考えている「新しい芸術の方向性」です。私もその途上におります。皆様の中にこれを理解し、賛同し、参画して下さる方が現れることを祈ってこの小文の結びと致します。

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