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アートの存在意義とは

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作家活動十年目にして今思っていること、これからやりたいことなどを端的に述べたいと思います。

私が最後に個展を開いたのは2017年の末のことです。それから少しづつ露出回数を減らしていき、今はほとんど世に出回ることのない作品も多くあります。日本のアートのアカデミズムを求めて都心での展示を積極的に進めていたのですが、日本にはアカデミズムがそもそも敗戦以降、殆ど寸断されてしまったようです。今では殆ど個人主義になってしまってせいぜい「どこどこ先生がこういう企画展示を考えてらっしゃって〜」というようなレベルで、アカデミズムとは到底言いようもない状態です。個展以前の私はどう思っていたかというと「個人主義でも団体主義でもなんでもいいから、とにかく大勢見てもらえるところに出す」という感覚でした。とりあえず活況を呈していた銀座、日本橋界隈で作家活動をやってはみたのですが、どうも思っているのと違うらしいということだけは分かりました。銀座、新橋などもギャラリーも多くて人気が高いのですが、殆どが、要するに「お花代」なんだな、ということが分かります。女性作家たちの人気も今は衰えているかに見えますが、元々あの界隈は「高級花屋さん」の立ち並ぶところです。そして、知って知らずか(知ってると願いたい…)女性作家で見た目に覚えのある方々が「美人画」と称してお華を売っている、という構図、そしてコレクターさん達は「お花代」を持って作家さんに会いにいくというのが基本的な「銀座アートスタイル」なんだろうと思います。その中でも作家の中にはそういう構造を知らずに行って「ハラスメント」だと言い騒いでいるのですが、それを言ってしまえばそもそも日本のアート市場の構造そのものの問題点を晒してしまうことになって、作家活動そのものが立ち行かなくなるケースもあるのではないかと思われ、難しい問題ではあると思います。

さらに立ち返り、明治初期のアートの動きを見てもよく分かるのですが、日本人が渡欧して得てきた美術知識が浅く、西洋文化そのものの根底にあるアカデミズムまで届いていたかということに関して一定の疑問があることはあります。おそらくですが欧州への留学は滞在期間が短く、欧州の文化背景であるキリスト教やユダヤ教の歴史、ルター以降の宗教改革によるルネサンスの勃興、オランダの黄金時代、フランス宮廷がナポレオン以前に花咲いた歴史、カント以降の理性主義によって淘汰されてきた欧州の霊性を感じ取るまでは至らずに帰国の途についてしまったという現実があったのではないでしょうか。全ての人が弘法大師宜しく2週間で全てを学んで帰るということはまずできないであろうと思います。そういうことで日本では神道率いる神社仏閣から西欧式のアカデミズを真似てイギリス、ドイツの先進性を目の当たりにした岩倉具視以降の教育界のリーダーに至るまでが「伽藍堂」の、要するに哲学のないアカデミズムもどきが主流の学問として長きにわたって支配してきた背景があり、日本のアート界もこれに追随する形で形作られてきた歴史があります。

そして私自身の創作に立ち返って考えると、私自身の疼きの端緒がまだ見えていない折に、2017年までの作家活動があったのです。私自身は今「潜在意識のテーマ」と称している通り、人間の存在根拠を描き出したいと願っているのです。それが今から10年以上前、2011年4月8日に起こった私の事件をきっかけに始まった創作活動の淵源にありました。要するに哲学の元にある究極の真理を描きたいと思っているのです。そしておそらくそれは後世の人類がもしその絵を見る機会が許されるならば、初期キリスト教のイコンのように、人々の霊性を復活させる大きな原動力になるものと信じます。そういうことで私の作家活動は現代の人にはなかなか理解し難い内容を含んだものも多く、一般向けに出された作品の裏付けとして未発表の作品も多くありますし、表に出ている作品もその本当の意味を伝えきれずに出てきているものも多いのです。

そして今はコロナ以降の閉鎖的な世相が限界を迎え多くの人たちが「日向ぼっこ」に勤しんでいる姿を多く見かけ、アート界もこれをきっかけに復活して欲しいものですが、これからまた殺傷性の高い変異株が欧州を中心に流行っていくことが予見されている現状、あまり大きなイベントを組んでも予定通り今年を過ぎ越せるかも分かりづらい状態が続くと思います。その意味において私も襟を正し、一度一切を清算して新しい未来の芸術を編んでいきたいものだと思っております。皆様も今後私が生きていればそういった「秘匿された作品」を目にすることもできるかも知れないので応援のほど宜しくお願いしたいと思います。

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