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【油彩画の骨子を作る】油絵で重要な下層描きについて

公開日: : 最終更新日:2023/03/05 油絵上達の道

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油絵を描く際に、下層描きは非常に重要な工程の1つです。下層描きは、具体的には構図の決定や色の配分、明暗のつけ方など、画面全体のデザインや印象を決定するための作業です。ここでは、油絵の下層描きについて、知っておくべきことを解説します。

まず、下層描きの目的は、画面全体のバランスをとることです。まずは、カラーで描くか(インプリマトゥーラ)、モノトーンで描くか(グリザイユ)、褐色のトーンで描くか(カマイユ)を選びます。カラーで描く場合は、構図や形状の確認を目的として、軽く描く程度に留め、詳細は後の層で描くようにします。一方、モノトーンや褐色のトーンで描く場合は、明暗の配分を確認するために、中間のトーンで全体を馴らしながら描いていきます。

また、下層描きでは、色の配分も考慮する必要があります。色の配分は、画面全体のトーンや色合いを決定するために重要です。例えば、寒色系や暖色系の配分を調整することで、印象を大きく変えることができます。

次に、下層描きで重要なのは、明暗のつけ方です。油絵は、透明感のある色彩表現が特徴的ですが、それを演出するためには、光と影の表現が重要です。下層描きでは、影の部分をしっかりとつけることで、明暗の効果を出し、ボリューム感や立体感を表現します。また、色彩表現にも影響するため、下層描きで明暗を決定することは非常に重要です。特に空想のモチーフをリアルに描くとき、デッサンやスケッチで事前に構図を決めておくことはもちろんですが、実際の明暗が分からない分下層描きで入念に明暗を決めておきます。

さらに、下層描きでは、材料の選択も重要です。例えば、下層描きには油性の画材を使うことが一般的です。油性の画材は、透明感があり、密着性が高く、後層との相性もよく、下層描きに適しています。また、下層描きには水性兼用の下地であれば、アクリルガッシュなどの水性画材を使用する場合もありますが、油性画材よりも乾燥が早く、重ね塗りがしづらいため、注意が必要です。

最後に、下層描きは、作品の品質に大きな影響を与える重要なステップです。描きたいものを描く前に、下地に必要な情報を描き出すことで、画面の深みを生み出すことができます。適切な材料とテクニックを使用することで、下層描きを効果的に行い、美しい油絵を制作することができます。

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