ピカソの作品の下に隠れた「もう一枚の絵画」とは?
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あけのみつたかの表現哲学・キュレーション
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ピカソの作品は、昔は嫌いだったのですが、今は大好きな作品群の一つに入ってます。
先日ピカソの作品をX線で検査したら、下からもう一枚の絵画が発見されたと報じられています。
学芸員たちの間ではもっぱらの噂だった?
この作品がフィリップス・コレクションに引き渡された1927年、
その当時から噂になっていたようです。
長い間、学芸員は「この絵の下にはもう1枚絵があるのでは?」と疑っていました。ピカソのスタジオで水を浴びる女性の筆遣いが明らかにおかしかったのです。1954年に学芸員によって書かれた手紙にそのことが記されていますが、90年代に入ってX線での調査が始まるまで事実は不明のままでした。
「青い部屋」は首都ワシントンの美術館フィリップスコレクションが1927年から収蔵しており、国立美術館が1990年にX線を使った調査で、隠された作品の存在を確認。2008年には赤外線技術の進歩によって、男性の肖像画が浮かび上がった。
作品の男性は?
ピカソ自身最近の人ですから、下に隠された絵が!と言われても、ダ・ヴィンチのようにロマンスを感じないのが残念です。
自画像でないのは明らかであり、ピカソが1901年に初の個展を開いた時のディーラーではないかと考えられていますが、絵の中には何のメモもヒントも残されていませんでした。
肖像画はピカソがスタジオを構えていたパリのモンマルトルで描かれたと推定される。専門家チームはこの男性が誰なのかを突き止めたい意向だが、手紙やメモ書きなどが残っていない限り、特定は難しいとみられている。
当時はピカソも貧乏だった
当時、ピカソは新しいアイデアをすぐに描き映せるキャンバスを持ち合わせていませんでしたし、
すぐに購入できるほどの財力がなかった、という推測のようです。
学芸員のSusan Behrends Frankさんは「ピカソは思いついたことをすぐに形にしなければなりませんでした。しかし、当時アイデアが思い浮かんでもすぐに新しいキャンバスを買って絵を描けるだけの余裕がなかったのです。キャンバスより価格が安いという理由でボール紙に描かれた作品もあります」と語ります。
「青い部屋」は、青色を基調とする悲哀に満ちた作風で知られるピカソの「青の時代」の初期の作品。「下の作品は(青の部屋と)同じ年に描かれたと思われるが、作風はまったく異なっており、この年にピカソに起きた変化をうかがわせる」と専門家は解説する。
私も作品を作る際にはピカソの作品をイメージしていることが多いのですが、
重なりあう色がピカソの作品では面白さの一つではないかと考えています。
ピカソの作品の面白さは「色の重なりあい」にあり
私も今の作風を確立するきっかけになったのはピカソのこの作品。
ちなみにこの作品は、ピカソがマリー・テレーズという女性と付き合っていた頃の「白い服の女」という作品の一部です。
こんなふうなロマンチックな色の重なりあい方は、ピカソ以外の作品では見たことがありませんし、
今私が作風に取り入れている要素の一つです。
ピカソの作品の下には、まだまだ発見されていない作品も多そうなので、
乞うご期待、といったところでしょうか。
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