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「夢を実現する」とはどういうことか

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私がアートの道を歩もうと決意してから、4年の歳月が流れました。

この4年間、私は「誰も理解させることができない」という孤独に耐え続け、「誰にも見せることのできない世界」と一緒に歩んでまいりました。

ネットでの作品販売では気に入ってくださる人の顔が見えません。ですので最初期の頃、私は自分に掛けられる精神的負荷の限界を探るがごとく制作活動を続けていたのです。

ネットでの展示活動で学んだこと

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芸術の世界に飛び込んだ時、少しづつ、段階を踏んで成功していくイメージが私にはありました。

「まずはネットで作品を露出し、ある程度の確信ができた段階で個展等に出展し、作品を直接ご紹介する」というイメージがあったのです。

そのイメージが遥か遠くに見えたのが今から2年前、ちょうどこの時期はグループ展「ASOBI ISM(アソビイズム)」に展示するための作品を制作しておりました。

その意味において私は「扉が表れるのを待っている」状態で、暗い殻の中に閉じこもって絵を描いているイメージが強かったのです。

「このまま私の絵は売れないのではないか」、「もし売れなければ私の人生はどうなるのか」という答えのない疑問の中で悶々としていたのを憶えております。

ネットでの作品販売においても、なかなか自信が持てず「もう少し安くてもいんじゃないか」とか「こんなに高いと誰も見てくれないんじゃないか」という不安が長い間続いていました。

そしてやっと去年の初めから、「個展の準備」と「作品自体の技法の向上」を目標として活動することが出来るようになり、環境としては恵まれてはおりましたが、やはり、私の世界を理解してくださる方は数が少なかったと思います。

さらにはRabbit Graphを完成させるために技術を磨き続けた1年でもありましたし、その技法は限りなく完成に近づいております。

今回開催した個展のおかげで私は「私の作品を理解して下さる方々がいる」という自覚と、それに伴った「自信」と「責任」というものが身につきました。

ゼロからのスタートには「孤独」が伴う

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今となって思えば、全体の流れとして成功の方向へと向かっていたと感じていますし、これからはもっと芸術的な作品、もっと「さわやかな風のような作品」を創り出していきたいと考えております。

なぜ突然こんな話をしたのかというと、個展が無事終幕した今の時期だからこそ伝えられることがあると思ったからです。

暗い殻の中に閉じこもっている人たちへ、「このまま自分はこの暗い殻の中で干からびてしまうのではないか」と悩んでいる方々へのメッセージを残しておきたいのです。

大きな流れというものはその渦中にある人には見えません。あるのは「混乱」と「孤独」のみです。

新しいことを始めようとするとき、誰しも心のなかにこの「孤独」と「混乱」を同居させています。

しかしその孤独に負けてはいけないのです。

尻込みしてはいけないのです。

尻込みすればするほど、後になって現れる結果は小さくなります。

孤独の渦中にある人には「それでも結果が出れば良い」という考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし、その結果が見えた時に「もっと高みを目指せばよかった」と後悔するような人生であってはいけません。

個展「望月の宵の宴」が象徴するもの

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人はみな、新しいことを始めるとき、小さな小さな、自分だけの世界を創り出します。

その世界は最初、自分しかいません。共に過ごす仲間もなく、いたずらに過ぎて行く時を、暗い暗い世界で待つことしか出来ないのです。

しかしある時その世界に「風」が吹き込んできます。それは外的要因で吹き込むこともあれば、自分の内からバイタリティーが湧いてきて殻を突き破る場合もあります。

なんにせよその時は必ず来ます。諦めてはいけないのです。

その先には新しい世界が開けています。

継続する力こそ「才能」の本質

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よく言われる言葉として「三日三月三年」というものがあります。

三日続ければ次は三年続けてみる。三年続けたらある程度プロか、セミプロ化してくるので次はそのまま三十年続けてみる。

私の場合は「三日三月四年」かもしれませんね(笑)

そうして継続すると、自分が「素晴らしいと思っていた世界」がどんどん壊れていくのを感じます。なんというか、無駄なパーツがどんどん剥がれ落ちていくイメージと言いましょうか、そんな感覚です。

次第次第に自分の外の世界と、中の世界とが二重写しのようになり、シンプルな答えが見えてくるのです。

「プロフェッショナル」とは「責任に裏打ちされた自信」を持って仕事ができる人間のこと

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そうして継続していく中で、ある日、大きく飛躍する瞬間がやってきます。それが先程申し上げた「殻を突き破る瞬間」なのです。

本当の自信とは、責任をもって仕事をしていく中で身につくものだと思っております。「自分にしかできない仕事がある」と思えて初めて自信が湧いてくるのだと思います。

そういう事を考えられる段階に入れば、それはもう「プロと呼べる段階に入った」と考えてよいでしょう。

爽やかな風のような芸術

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私は私の作品を通して人々の心に、さわやかな風を吹かせることが出来ると確信したのです。

私の作品が、私の魂が、私のいないところで、私の気がつかない形で仕事をしている。

私の作品が置かれた空間に風を吹かせ、それを見た人間の心に風を吹かせる。

芸術とは結局、その高邁な精神性をもって描き、家庭に、地域に、そして何より人々の心に、優しく、人に気づかれるかどうかの爽やかな風を吹かせていくのです。

その風を見ることはできないでしょう。誰にも見えない「透明な風」が、あなた方の日常に吹き渡っていくことを心の底から祈っているのです。

それが私の表現しようとする「永遠」の一側面でもありましょうし、これからの制作に必要なキーワードだと思っています。

それが先ほど説明した「責任に裏打ちされた自信」であり「芸術家としてのプライド」であり「これから進むべき道」であると思っています。

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