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才能とは何か

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あっという間に11月です。今年は展示活動をネットで公開する程度に控え、空いた時間や資金を他の事業に回したり、制作活動に専念し続けた一年でありました。

その間、私も知っている作家さんたちが精力的な展示活動を行い、東京で人気の作家さん達も関西で展示を行なっていたり、東京でも精力的な展示活動を展開していました。

私自身は今年の初めにも「もう展示活動はできないかもしれない」といったように、非常な忍耐を必要とした一年でありました。

それは、私自身のこの24年間の総決算のように感じられ、少なくともここ6年半やり続けてきた制作活動の総決算とでもいうべき一年となりました。

しかしそれは新しい始まりを告げるものでもあるということを私は感じています。新しいものが始まる時、必ず以前のものが終わりを告げるものです。

すべては終わり、また始まるのです。

現在制作した作品も100作を越え、デッサンやスケッチなども2000枚を超える量になってきました。

作品自体はまだまだ足りない状態です。まだアイデアはあるんです。ただそれを形にし、みなさま方にお見せするにはもっと大きな力が必要になっているという訳です。

才能の正体とは「継続する力」の中にある

才能とは常に前に進み、自分自身の反省を生かしながら更なる発展を目指すところにその存在を証明するものであると思います。

要は「続けられることそのものが才能である」ということを、私自身は信じて疑いません。どうしてもそう見えて仕方がないのです。

人間は最初は何も持っていません。才能も、最初から芽生えるわけではなく、少しづつ鍛錬を積み、忍耐と努力によってだんだんに姿を現していくものだと強く自戒するものです。

逆に言えばあらゆる才能とは誰の中にあるものだということができます。誰しも最初から運命が決まっているわけではないのです。

才能を生み出すための方法①:自分の人生と真正面から向き合う

運命とは自分の意識、無意識、ありとあらゆるものの総決算だと思います。口では「成功したい」と言っていても、無意識的にその成功のビジョンを拒否している場合も数多くあります。

それを自分で判定するのは難しいものです。じっくり黙考する時間がなければ分からないでしょう。それを意識して考えないとなかなか分からないのではないかと思います。

しかし「発起と実行、反省と点検」という行為を続けていく限り、道は必ず開けるものと信じてやみません。

このサイクルを続けていくには謙虚さが必要です。自分を大きな物差しで測ることができなければならないと思います。また同時に「人生とは時に足をくじくこともあるものだ」と織り込み済みで計画しなければいけない面もあります。

才能を生み出すための方法②:失敗から必ず学びを得る

あらゆるものには必ず失敗が伴います。それは小さな失敗から、取り返しのつかない失敗もあるでしょう。しかし、人生は100年時代に入っています。私自身も「まだまだ人生は続いていくのかな」という前提でずっと先を見ています。

だから小さな失敗はあってもそれで挫けることは少なくなってきました。あまり感じないのです。

もちろんこれは、人様に迷惑を掛けない範囲での失敗であると思います。人に迷惑をかけてしまうような失敗をしてしまった場合、取り消すことはなかなか難しいものです。中には永遠に海の底を漂わなければいけないようなこともあるかもしれません。

しかし私は、あらゆる失敗には必ず学べる部分があると思っています。「学びのない失敗」などありません。

これは誰かに教れるものではありません。しかし必ず学びの機会があるのです。それを決して忘れてはなりません。

才能を生み出すための方法③:一つのことを継続し続ける

若年層の頃は特に「自分に何が向いているか」と考えがちですが、その考え方ではいずれ行き詰ってしまいます。

「自分に何が向いているか」ではなく、「自分は何をするのか」と考えるべきです。何故なら、才能とは誰かから与えられるものではないからです。

誰かから与えられるのであればその考え方でもいいでしょう。しかし、誰かから与えられる才能など存在しません。あるいは、最初からすでに持っている才能だけではすぐに力尽きてしまうはずです。

ではなぜ世の巨匠と呼ばれる方々は、その道をまっすぐに歩み続けることができたのでしょうか。

なぜ彼らは、時代の中で永遠に光り輝き続けることができたのでしょう?

それは、彼らが「やり続けてきたから」なのです。それだけなのです。

いろいろ言い方はあるでしょうか、シンプルに言えばそれだけなのです。才能とは継続の中にあるからです。

逆境にあってすぐにやめてしまうのであれば「それまで」なのです。それこそ「才能がなかった」のです。

この時に「悔しい」と思って、「なにくそ、絶対に進めてやる」と思えたかどうかが才能の有無を決めるのです。

「生き続ける力」を生み出すために

だから特に学生の方に言いたい。今続けていることがあれば、絶対に諦めないでください。

まだ何も始まっていない方は、手当たり次第新しいことを始めてみましょう。試しでいいのです。人生は貴方が思っているよりずっと長く、険しいのです。

だから、そんな若いうちから何もできないでいれば、将来に待っているものは「才能も何も持っていない自分」しかいないのです。

才能とは時間です。才能とは人生の軌跡です。才能とは歴史です。才能とは今ある能力の多寡ではなく「貴方がこの人生で何をなしたか」なのです。

すなわち才能とは、あなた自身でありあなた自身の存在そのものなのです。それは特別な能力だけを指しているのではありません。生きてきただけでも才能なのです。

貴方の年齢になるまでに人生を諦めてしまったり、不運な最期を迎えた方など、山のようにいるのです。

しかしあなたは今まで生きてきました。この文章が読めるということは少なくとも中学生以上の年齢の方が多いはずです。

それまで生きてこれたということは、「多くの人の支えがあり、その中に自分がいた」ということも忘れてはいけませんが、「続けてきたことには力がある」ということも忘れてはいけません。

私が言いたいことは一つです。

才能の有無に嘆くのではなく、今持っている能力と体力、経済力と時間を総動員して何かを成せ。為せば成る。

私自身もその道の途中にあります。「継続は力なり」という言葉の意味をもう一度よくよく考え直して頂きたいと思います。

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