縫い針の通し穴に彫刻が!?世界最小のマイクロアートを手がけるウィラード・ウィガン氏とは?
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あけのみつたかの表現哲学・キュレーション
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もしも最小単位のアートがあったとして、それが針の先ほどの小さな世界であったとしたら・・・
英国出身の彫刻家、ウィラード・ウィガン氏は、縫い針の通し穴の中に収まるほどの小さな彫刻を制作することで有名です。
彼は自身が失読症であることをポジティブに捉え、創造性を自身の「小さな世界」へ投影していきました。
ウィラード・ウィガン氏の「極小の世界」
1957年生まれのアーティスト、ウィラード・ウィガン氏は、手術用のメスを使って彫刻を施し「世界最小」の彫刻を制作しているアーティストとして話題を集めています。
彼の作品の特徴はもちろん「極小」だということですが、その繊細さやウィラード・ウィガン氏独自の世界観が極小の世界に反映しおり、見る人を虜にしていきます。
失読症だった幼少期の経験から彫刻家に?
幼いころ、ウィラード・ウィガン氏は「失読症」の診断を受けずに学校教育を受けたため、教科書などを読むことが出来ず、友人や先生に馬鹿にされて育ちました。
その嘲笑から逃れるため、ウィガン氏は彫刻の世界へのめり込んでいきました。
なんとウィラード・ウィガン氏が彫刻を始めたのは5歳の時のこと、最初は普通の彫刻を行っていたそうですが、次第に「大きさ」へのこだわりがエスカレートしていったということです。
蟻の家を作り始めたのが最初?
ウィラード・ウィガン氏自身から、極小アートへのきっかけとなった出来事についてこう語っています。
あるとき、アリさんに家が無いのがかわいそうだと思って、アリのための家を作り始めたんだ。それがだんだんエスカレートして、アリの靴とか帽子をつくり始めた。
一作品の制作に三ヶ月?心臓の鼓動の合間を縫って制作
この彫刻は米粒の一部や砂糖の一粒の一部(!?)が使われています。着彩の際に使う筆はなんと、ハエの背中の毛なんだとか(どうやって作ったのかも気になるが)。
そうした極彩の道具を使い、顕微鏡の上で制作されるウィラード・ウィガン氏の作品の制作では、通常3ヶ月を費やし、心臓の鼓動の合間を縫って制作されています。
自身の髭を使って「絵画」を制作??
もはやサブタイトルが意味不明ですが、そのままの意味です。
ウィラード・ウィガン氏は朝の髭剃りの際、自身の無精髭を見て「自分の挑戦に最適だ」と気づいたそうです。
無精ひげの上に、手でオートバイの絵を彫ったのだ。手で抜くのも大変な無精ひげに彫った絵はわずか3ミクロンしかなく、顕微鏡でしかみることができない。
世界には様々な変わり者のアーティストがいますが、彼ほどの変わり者のアーティストも珍しいかもしれません。現在彼はマイクロアートの巨匠として名を連ねています。
2013年に開かれた巡回展では、世界中から人が押しかけ、皆顕微鏡の接眼レンズに一生懸命目を押し付けていたようです。
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