作品を販売再開しました
公開日:
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最終更新日:2016/11/19
あけのみつたかの表現哲学・キュレーション, 近況報告、その他
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作品の販売やサイトの更新が滞っていました。制作に熱中しすぎてなかなか触ることが出来なかった次第です。
5月を迎え、日差しが強く照りつけるようになりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
私としては、ここ数年続けていたことがやっと実りを結ぶようになってきたように感じ、やりがいを感じる日々が続いています。
今回は当サイトに新規に作品をアップしたのでそのご紹介と、Creemaと公式ショップの方で作品を販売再開したことの告知です。
計8作の新作を発表
今回は合計で8作品をアップしました。
まず今年の夏頃開催予定の個展で展示される作品↓
Creemaでは去年の12月頃から作品の販売形態を実験的に変えていたのですが、その期間を終え、無事展示販売活動の方も再開されました。
ただ、油彩のみの販売にすることは今のところ考えていません。
Rabbit Graph(RG)の作品も後日発売開始
以前から紹介していた新技法「Rabbit Graph」もより自由に表現できるように改良されており、こちらも追々販売開始していく予定になっています。
このRabbit Graph(RG)は、版画(リトグラフ)の一種なのですが、他の版画と違い、一刷り一刷り違う表情を作ることのできる面白い技法です。
作品としては同じものを作っていけるのですが、同じ作品でもブラシストローク(筆の動き)が違って出てくるわけです。
これについてはどこかの折に別途ページを作って解説できたらなと考えています。
この技法は単に販売しやすい作品を作ることだけでなく、より実験的な作品にも挑戦し、さらに作者自身の見方を変え、視野を広げることができる技法です。
芸術とは何か
「いきなりなんだ」と思われるかもしれません(笑)
しかしここで私自身が表現したいもの、表現してきたものを改めてご紹介したいのです。
以前私は六本木にある国立美術館で作品を展示した際、同館で開催されていた「ウォーホール展」を見に行きました。
そこではウォーホールの作品と同時期のアメリカ現代美術作品が並んでおり、鮮明なコントラストと鮮やかな色合いがとても刺激的だったのを覚えています。
しかしそれは単なる「動物的感覚でしかない」という気持ちも持っておりました。
音楽においても近年では「リズムカルな重低音が人間の本能を刺激する」ということが書かれた研究結果を見たことがあります。
このように表現というものは、多くの人にとっての刺激となり、毎日の生活に喜びを与えるものであります。
しかし私は「表現」という大きな流れの中で「芸術とは何か」ということが分かりづらくなっていることも、近年問題視されるものの一つであると思います。
芸術と単なる商業主義を分けるのは「精神性」です。精神性とは読んで字の如く「目に見えないもの」のことです。この精神性には粗雑で動物的なものも含まれます。
しかし、芸術という分野においてはやはり「美しさを基本にして表現や批評をしていただきたい」という気持ちがあります。
美しさとは何か
ではその「美しさ」とは何でしょうか。美しさとは、その身に宿っているものの美しさであると思います。
あなた方は自分の姿を鏡で見ても、「完璧に美しい」と感じることはないでしょう。
そう感じる人もいるかもしれませんが、それは単に勘違いしているか、傲慢なだけです(笑)
このように人間には、「美しさを判断しようとする心」が潜在的に備わっています。
あるいは小さな子供の頃、公園に咲く花や、河の中の生き物たちを見て感動したことがあるでしょう。それが潜在的かつ先天的に持っている能力なのです。
人は生まれる前から、既に「美しさとは何か」が分かるようにできているのです。
判断や思考が停滞すると「美しさ」を感じにくくなる
ではなぜ大人になるとその能力が薄れていくのでしょう。
大人になるにつれ、判断や思考力が必要になる場面に多く遭遇します。
あるいは様々な経験を積むにつれ、それらに埋もれてしまったものが数多くあり、その中には、人間として忘れてはいけないものも多く含まれているのです。
様々な経験を「消化」し切れていればそれほど大きな問題にはならないのです。
しかしながら、人生には解決できないように感じる問題、「とてもじゃないけど太刀打ちできない」と思うことも数多くあります。
このように頭のなかで色々な悩みや苦しみが「渋滞」してしまい、その処理に追われているのが人間の悲しい姿です。
「そよ風を感じる瞬間」を作るのが芸術の役目
しかしふとした瞬間、心のなかにそよ風が吹きこむような瞬間というものもあります。
その瞬間、あなたは物質的でない何かを感じるのです。
人はみな、何かと関連しながら生きています。
それは大きな目で見れば、私達が「運命」という大きな流れの中にいるということです。
その中でふとした瞬間、その流れから逃れ、この世界を遥かに超えた世界へ飛翔することもできるのです。
あけのみつたかが表現したいもの
私はまず、「美しさ」という観点から人生というものを、他人との境界を、地域を、空間を、時間を超えることに挑戦したいのです。それが芸術の極致だからです。
あの天空に掛かる天の川のように、太古の昔から、永遠の未来へと続くもの、それは人々の営みや、あるいは自然の営みです。
あらゆる人工的、個人的な解釈を乗り越えて、私達芸術家は歩み続けているのです。
その明瞭な地平を見て、ただただ前へ前へと進むのです。
芸術とは結局、あなたが自分自身を信じ、自身の人生を愛し、自分の置かれている境遇を悟った時に初めて見えてくるものであるのです。
解釈とは人間がするものです。自然とか、宇宙とか、あるいは法則と言われるものの中には解釈はありません。ただそこにあるのみです。
そこにある存在に対して美を見出すことができる人こそ、正しい人生を生きる人間の真の姿なのです。
山の内に篭もりてそうしたことに目を向けることはそう難しいことではありません。しかし、街中の喧騒の中でも、そうした「美」を見つめることこそ、これからの芸術家に必要な感性であると思います。
私が追い求めている「永遠の美」というものもこれと同じです。永遠に持続的な存在を見つけることです。
どうか芸術というものに目を向けてみてください。そこにあるのは単なる布の上に乗った色素ではありません。
「この作品が訴えんとすることは何なのか」という観点から芸術を見て下さい。それが私達の願いです。
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