【2018年以降】今後の活動について
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近況報告、その他
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皆様こんばんは、こんにちは、あけのみつたかです。
今年は制作活動の傍ら、展示活動に注力し、数々の企画展に参加させて頂くこともでき、現在開催中の拙作の個展「Eternity」なども無事開催することができました。
その中で、今年よりさらに激化すると思われる展示活動、要は営業ですね。この部分について私なりの現在ただ今の認識をお伝え致します。
実は今年の春先、いやもっと前からだったかもしれません。制作を続けながら、企画展等に応募させていただいていた真っ最中、ある違和感が頭をよぎりました。
それは「『アートでお金を稼ぐ』というのは少し違うのではないか」という感覚です。
一般論でいえば「アートで生活費を稼ぐ、日銭を稼いで生活をする」ということは確かに多く目にする機会はありませんが、実際にそういった職業に就いている人がいることは事実です。
そしてまたこれも一般論ではありますが、「売れる絵」というのは見た感じとっつきやすいものであることが多いです。
理解しやすい構図、理解しやすいモチーフ、理解しやすいタイトル、そして何より「綺麗」という言葉でひとくくりにされる色や筆遣い。
そういった一般的に言われる「売れる絵」と、私が「正直に描きたいと思っているもの」が大きくかい離していっているのが現在の状況です。
私は正直なところ、最初絵を描き始めた頃に比べるとずいぶんと大人な感性を持つようになりました。色の彩度も鈍く、薄暗がりの中から伸びてくる影のように、深く、深遠な世界を表現したいのです。
しかしそういった絵は、多くのギャラリストたちに言わせれば「分かりづらい」というか、ノーコメントでスルーされることの多い絵なのです。
しかし、私は自分の正直に描きたいものから目を逸らし、その辺の雑貨屋さんに並んでいるようなイラストを描くつもりは毛頭ないのです。
もうそういう時代は終わったのです。私の中でそれは「過去の作品」なのです。
そして、よく言われる「じゃあ両方描けばいい」といった打診的な方法も取るつもりはありません。そういうのは「絵でしかお金を稼げない人が描くもの」だからです。
わたしは「日銭を稼ぐ」ということと「絵を描く」というものは別々のものだと思いを致すようになりました。どうしても違うのです。
ですが人は生きながら絵を描きます。それは「日々の稼ぎの中でどうやって絵を描いたり、人様にお見せする機会を作るか」という発想との闘いであろうと思います。
もしかしたら私は、もう人様に絵をお見せすることはできないかもしれません。
作品を創ることは私の中での「アイデンティティ」ですので、辞めてしまうということはできないと思います。
しかし、理解もできず、「美しい」という言葉の意味も分からないような人間に私の絵を見せても、何の役にも立たないと思うのです。
これはこの一年間考え続けていたことです。どう考えても考えても、私の絵が人様の役に立つとは思えないのです。
だから私は、私の「美しい」と感じるもののみを描くことにいたします。それが本来の意味での「芸術」だからです。
私はイラストレーターにはなれないでしょう。しかし「人生を芸術に捧げた人」にはなるのです。私はそれでよいのです。
もしかしたら私は、生活に少し余裕が出るぐらいの収入をどこかで手にするかもしれません。
しかしそれまでは、無理をせず、自分らしく生きたいと思うのです。
まだファンというファンもいない今だからこそ決断できることです。
そしてこれは私自身への戒めの意味もあります。「意味のない絵を描くな」と。
今後はギャラリーの展示などにこっそり参加していることはあるかもしれませんが、大きく生活に余裕が出るまではそういった「あってもなくてもどうでもいい絵」は描かないことにします。
もう少し精神面に余裕ができるまで、この表現は温めておくつもりです。
それが今現在私が思うところです。
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