日本独自の「隠しの芸術」とは?昭和12年に撮影された映像から分かる日本の美しさ
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1935年にアメリカで制作されたドキュメンタリー映画「Floral Japan(花で飾られた日本)」には、監督のジェームス・A・フィッツパトリック氏による「日本独自の美意識」が説明されており、当時の日本文化は世界的にかなりの地位を築いていたことを感じさせます。
先日からGooが主催するブログ「いまトピ」では、ジェームス・A・フィッツパトリック監督による第一次大戦前後の世界の文化を紹介するドキュメンタリー映画が紹介されています。
今回はその中でも日本の文化を中心に紹介している映画「Floral Japan(花で飾られた日本)」を紹介していきます。
昭和初期に流通した「最後の純和風の世界」とは?
明治時代に日本が鎖国を終え、平和的な外交と貿易を行うようになっていったことは誰で知っていることです。
その中でも特に世界を驚かせたのは日本独自の文化や意識でした。
「蛮族しか住んでいないと思っていた日本という国には、どうやら洗練された美意識や価値観があるらしい」ということが当時世界中を驚かせたのです。
この映画の中でも日本独自の文化が紹介されており、昭和初期ということで「大正デモクラシー」などで騒いでいた世間とは距離を置き、日本古来の文化へとフォーカスインしているのがこの作品です。
日本の芸術は「尽くす芸術、隠れた美しさ」が中心にある
この映像の中で最も印象的だったのは、ナレーションの中に入っていた「ひとつひとつの木や庭は、奉仕の芸術であり隠しの芸術なのです」というセリフです。
これは芸術の中で今一度考えていくことができる価値観であると思いますし、ヘレニズム文化やルネッサンス、印象派などと続いた西洋美術に対向する唯一の日本の文化の存在意義であると思います。
西洋ではここ100年余りの間があったにも関わらず、こうした「おもてなしの芸術」というものを十分に研究しきれていないというふうに感じます。
写真や映像をスケッチ代わりにすると正確に描ける
これは私自身が一年ほどまでに発見したことなのですが、スケッチなどを元に制作するよりも、モノの形を正確に描くには写真を元に制作するのが一番効果的だと感じています。
それはなぜかというと、人間の頭や姿勢というのは常に上下左右、前後に移動しており、デッサンやスケッチなどで正確にモノを写しとるのは至難の業だからです。
また正確にスケッチする、ということに重点を置きすぎると、今度は時代に逆行するような作風になりかねません。つまり、遊びが少なくなるわけです。
そうしたことからも、映像や写真から制作のアイデアを得るというのは大事なことであると思いますし、これから先の未来には正確性を超えたものを表現していくことができると感じています。
今回紹介した「Floral Japan(花で飾られた日本」でも、日本人の美意識について触れていますが、未来の社会で受け入れられる芸術のひとつの形態として「隠しの芸術」というのを育てていくことは大事であるというふうに感じています。
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