アートにおける生産性とはなにか
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最終更新日:2016/11/19
あけのみつたかの表現哲学・キュレーション, 近況報告、その他
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最近、制作活動を続けていく中で効率の悪い部分とそうでない部分とで切り分け、さらにシンプルな制作活動を行えるようになってきました。
しかし、そのシンプルな制作活動を続けていく中でひとつの疑問が浮かんできたことも否めません。
それはどういった疑問かというと「アートという分野においての生産性とはなにか」ということなのです。
そもそも一般的な「モノ」における生産性とは?
一般的な生産物、例えば食べ物や車、衣服やその他のものについては「生産性のあるもの=付加価値のあるもの」ということになりますから、「より他より安く」というのもひとつの生産性ではあると思いますし付加価値のひとつであると思います。
また商品そのものの価値の一つとして「品質の良い品」という付加価値もあると思います。高級な品は誰しも手にしてみたいものです。特に自分に興味のある分野についてはそうでしょう。
しかし、アートという分野においては一体どういったものに価値を見出すべきなのでしょうか。
アートという分野は他とは違う価値判断が必要?
私自身、こうしたことに考えが至るにはある程度の実績が必要だと思いますし、アートにおける「高付加価値のもの」が何であるかを掴んでいる、ということはプロフェッショナルの条件のひとつであると思います。
私が普段よく唱えている「永遠を表現する」ということを至上命題とするなら、アートにおける価値とは「永遠をより忠実に表現し得た」ということになります。
そうであるなら、経済的な付加価値、先程も申し上げた「他より安い
」であるとか「高品質である」というものは必ずしも一致しないように感じます。
「価値」という言葉に様々な意味があるように、アートにおける高付加価値のもの、生産性のあるアート、という言葉にも一般的なものとは違った意味があるように感じるのです。
アートという分野での生産性は「非効率性」の中にある?
要するに、アートという分野では経済的な意味での「生産性」は当てはめにくい、もっと他の意味での生産性を追求している、と言えると思うのです。
それはおそらく「効率性」ではないでしょう。「価格競争力」でもないと思います。
私はアートにおける生産性を、アートにおける価値を「表現力」という言葉に託すことができるのではないかと思います。
表現力、という言葉は、アートを専門にやっている方々にとっては耳が痛くなるほどよく聞く言葉であると思います。
しかしやはりアーティストはこの広い世界、広大無辺な宇宙をどこまで表現できるか、ということに思いを馳せる必要があると思います。
広大無辺な「創造的空間」を表現するべく努力する
それはこの私達が住んでいる宇宙空間を指しているのではありません。私達の頭のなかに思い描けるだけの創造的な空間と、その限界を超えたところにある世界を指しています。
一般的には「想像の中の世界」といわれているものにも実は、実際に存在しうる世界があるということです。
これが今現在私が考えている「アートという分野における生産性」です。
非効率性の中には真実はありません。
しかし、効率性の中にのみ真実があるわけではない、ということも胸に刻んでおく必要があると私は思います。
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