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今年の振り返り【展示・販売編】

公開日: : 近況報告、その他

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本来こういう形でマーケットの現状とか、展示・販売に関すること話をするのはよろしくないことは知っています。

「作家のイメージ」というものが強い世の中ですので、なかなかこういう話はしにくいんですけれども、私自身は作家としての自分と、計算通りに物事を進めるコンピュータ的自分の両方があっての「あけの みつたか」だと思っていますし、私自身に対する計画の見直しの為に書き下している部分もあります。

現状の展示活動に関する考え方

青い春と別れ言葉 サイズ:A4 RG(油彩による補彩)/千代紙 2019

展示に関しては、今行っているもののほとんどは「マーケット調査」です。まだ作家としての認知度は低いですし、作家としての看板になるような個展も開けてはいないので、まずは自分が展示したい場所にあった作品の傾向を探っているところです。

とは言っても私も一端の作家風情でありますから、嘘はつけない部分も当然あります。その部分との兼ね合いが「コンピュータ的自分」ということになるのかもしれませんし、その調節機能なくして長期の作家活動は難しくなるだろうということは自覚しているところです。

特に今年は号単価を「プロの作家としての最低ライン」と言われているレベルまで引き上げました。

それはもちろん号単価改訂の案内でもお話しした通り、制作技法の向上に伴った材料費の高騰ですとか、今後も長期的に作家活動を続けるうえで最低限必要な価格をご提案させて頂いたという話です。

号単価改訂に伴った制作方針の転換

麦藁帽子と夏を見る女 サイズ:A4 RG(油彩による補彩)/マーメイド紙 2019

しかし、新しい事業はなんでもそうでしょうが、受け入れて頂く間の期間はどうしても小さく進めていかざるを得ない面はあります。

例えばBASEというショッピングサイトを運営できるサービスなども、プロ向けの機能は最初に無料で提供し、後から月額~千円という形に変えていましたし、コンビニの新商品(本当に初めて売り出された商品)はまず安くて内容量も多く入っていますが、だんだんに減らしていき、適正な価格に落ち着くまで調節していく、ということをやっています。

そして作家も同じでして、まずは受け入れてもらえるか分からない段階では小さな作品を大量に出していく必要があります。

いきなり6号サイズや10号サイズで勝負しても、そこはもっと売れっ子の作家さんのフィールドでもありますからどうしてもバッティングしてしまう面はあるのです。

なので最初は小さく始めて、だんだんに大きくしてくことは商売の初歩的なテクニックの一つでもあると思います。今はこれをやっている状態です。

将来性のある版画技法と手描き技法に対する捉え方

夏がまだ呼んでる サイズ:A4 RG(油彩・パステルによる補彩)/マーメイド紙 2019

これに比して版画の方は比較的好感触といいますか、実験的作品以外はほとんど完売頂いている現状です。

ですので版画作品に関してはさらに大きくしていく予定で進めています。画材等のコストが低く抑えられるので大きくしやすいのは事実です。

ただ表現としての自在性という点では、やはり油彩には敵わない面はどうしても存在するため、今は油彩画を優先している状態です。

時間に余裕が出れば版画をもやりたいですし、現に今新しい機材の購入を検討中です。これによってより深い色合いや思った通りの色彩、さらに大きなサイズの作品も作れるようになる予定です。

ただ先ほども言った通り油彩が優先です。これはマーケティング的側面というより時間的制約の多い環境ですので本業を優先しているというのが現状です。

また大きいサイズの作品を生み出すことができるようになれば、版画を公募展や企画展、グループ展等に出したりすることも考えています。伸びしろは大きいと思います。

伸びしろが大きいのですが、どうしても私自身の作家的側面から言えば「版画より油彩」という気持ちは大きいです。

やはり一枚一枚手で描くことのメリットは大きいと思います。版画で描くよりも真実に迫った表現が可能だからです。

以上が今年の展示・販売に対する振り返りと、来年以降の方針のようなものも少し喋りましたが、今後の展望です。

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